導入の背景
2020 年以降、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、日本の観光産業は大きな打撃を受けています。水際対策に伴う海外からの入国制限の影響も受け、多くの観光地では外国人観光客の受け入れが難しい状況が続いています。一方、海と山に囲まれ、歴史と名所に恵まれた伊勢市もコロナ禍により中心市街地の各商店街が影響を受けています。
伊勢周辺は数々の観光名所をはじめ、伊勢海老、牡蠣、松阪牛など数多くの美食が世界的にも有名です。その中でも伊勢神宮や神宮周辺の情緒ある街並み、風光明媚な景色が魅力の伊勢では、これまでも地域活性化のため様々な取り組みが行われており、観光PRキャラクターの「はなてらすちゃん」も伊勢の観光振興を盛り上げています。伊勢まちづくり株式会社と協力して伊勢中心市街地の空店舗の出店促進等を行うなど、伊勢市ではコロナ前の輝きを取り戻すための活動が行われています。
導入前の課題
伊勢市では、これまでも年に一度、主に人手と目視による従来の方法で通行量調査を行い、地域の人通りをカウントしていました。しかし、年1回であるため、マーケティング活用を目的とした定量データとしては不十分でした。こうした中で採用されたのが、科学的手法により人流データと IP カメラ、AI 解析を組み合わせて、24 時間体制で調査を可能にする方法です。正確で費用対効果が高く、設置が簡単で、データレポートのエクスポートが可能な安心安全なソリューションが、商業的価値を生み出すのに役立つと考えたのです。
導入の決め手とソリューション
VIVOTEK は、伊勢市の中心市街地や150 年の歴史を持つ老舗食堂など 7 ヶ所にステレオカウントネットワークカメラ SC8131 を設置し、3D 人数カウントソリューションを提供しました。
20 年以上の経験により培われた高い研究開発力を持つ VIVOTEK が提供するこのネットワークカメラは、ディープラーニングと映像監視機能を備え、98%以上の精度で人のカウントと人流の追跡が可能です。
機械学習により、このカメラの分析能力は常に最適化されています。映像はデータ化されて、商店街や店舗で用いれば、店舗レイアウトや販促の参考資料とすることができ、より的確な経営判断や業務効率化が可能になります。
従来、店舗では販売した商品や販売金額のデータを分析することで、店舗の運営状況を判断していました。今回 SC8131 の導入により、店舗の外の通行量の変化をすぐに知ることができるようになり、売上の伸びがお店の販促努力によるものなのか、その日の通行量の増減によるものかを素早く判断することが可能になりました。また、SC8131 の販売モデルは買い切りで月額料金等がかからず、他の製品と比べて、手頃な価格で導入できるのも魅力の一つです。
導入後の効果とお客様の声
VIVOTEK は、包括的な AI ソリューションを通じて、ビデオ映像をデータ化し、中心市街地の活性化に取り組む伊勢まちづくり株式会社とともに地域の観光と商業活動の最適化を目指しました。今回のケースでは、VIVOTEK はForceMedia 社と連携してシームレスな統合を実現しただけでなく、地元企業である EBILAB 社のシステムと連携することにより、天気や曜日ごとの人流の特徴や、イベント実施時の効果測定も可能となり、その結果分析に基づいたより効果的な企画運営の実施も可能になりました。
伊勢の商店街では、このAIカメラの設置が2021年12月13日(月)から開始し、同日から2024年3月31日(日)までの期間、通行量の計測が行われる予定です。
株式会社EBILAB 代表取締役 小田島春樹様よりコメント:VIVOTEK カメラはゑびやの店舗に2台導入しています。おかげで見える化したかった店前の通行量がリアルタイムに確認できるようになりました。店前の状況をデータで把握することによって、看板などの見せ方をより良くして投資効果を最大化しています。
現在はゑびや店舗の実績をもとに、他企業様だけでなく自治体様にも設置させていただき、最適な店づくり・まちづくりにご活用いただいています。今後もデータをもとにした施策を推進していくため、VIVOTEKカメラを活用していきたいと思います。