導入の背景
Nu-Sun Cinema社は、カナダのマニトバ州ウィニペグに拠点を置く非営利企業です。同社は、野生動物について視聴者に学習してもらうことを目標としており、経験を共有することで、身近な自然の素晴らしさを学び感謝するきっかけになればと願っています。 ハヤブサ属アメリカチョウゲンポウの個体数は、生息地の減少により減る傾向にあります。Nu-Sun Cinema社はその個体数を増やす支援の一環として、特注の巣箱を作りました。巣箱の中にカメラを設置することで、繁殖つがいや子育ての様子について貴重な調査を行うことができます。
導入前の課題
アメリカチョウゲンポウの活動の観察で重要なのは、その自然行動に関するデータを集める機会を視聴者に提供しつつ、巣箱の中に入り込まずに、なるべく混乱させないようにすることでした。
導入の決め手とソリューション
Nu-Sun Cinema社は、アメリカチョウゲンポウの繁殖つがいを複数監視するために、VIVOTEKのIP監視カメラソリューションを合計4台選びました。 Nu-Sun Cinema社によれば、巣箱内上部にカメラを設置すると卵が最もよく見えます。アメリカチョウゲンポウは通常、2日に1個の卵を産み、1回の産卵期に平均5~7個産みます。正確な産卵数の情報は、孵化後の卵の生存率に関して重要な研究要素となります。
上から見下ろす映像では、親鳥が抱卵中にさまざまな位置に卵を転がす様子を見ることができます。これに対して、巣箱の内側側面に設置したカメラでは、親鳥が約26~32日間かけて卵を孵化させる様子を間近で見ることができます。 Nu-Sun Cinema社は、巣箱の内側側面にVIVOTEKの小型130万画素固定ドーム型カメラFD8151Vを2台設置しました。抱卵中、巣箱内の温度変化に応じて、親鳥が体の位置を変え、卵の温度をコントロールする様子を観察することができます。
Nu-Sun Cinema社は、上から全体を見下ろすために、2台のVIVOTEKの小型200万画素IRドーム型ネットワークカメラFD8366-Vを設置しました。 このカメラは、防塵防水IP66規格、耐衝撃性IK10規格、耐圧防爆性NEMA 4X規格に準拠する堅牢設計により、衝撃、振動、湿度、埃、さらには極端な温度変化にも耐え、どんなに過酷な環境でも安定した信頼できる映像を維持します。FD8366-VはIR-LEDを内蔵しており、完全な暗闇でも最大15m先まで優れた画質を提供します。このオールインワンカメラは、屋外監視アプリケーションの多様なニーズに対応します。
Nu-Sun Cinema社のオーナー、Rick Onskie氏とKim Bisson氏は、「カメラを使うことで、卵の孵化がいつ始まるかをモニタリングし、孵化のおおよその日を決定することができます」、「抱卵中に親鳥が雄雌でどのように孵化を分担しているかのデータが得られました。カメラの音声からは、餌を食べさせるため雄が巣箱の外から雌を呼ぶ声を聞くこともできました。卵が孵化すると、雛鳥に関する研究データも収集できました。雛鳥は産まれて1週間ほどは非常に小さいので、巣箱の側面にあるカメラから親鳥から世話を受ける様子を観察できるのは貴重なのです」と述べています。
またOnskie氏は、「約28~31日間の巣内育雛期にカメラを使うことで、雛鳥に餌を与える頻度や餌の種類を特定することができます。雛鳥が数週間かけて育つ間に、成長を示す特徴が確認できるようになります。両方のカメラを組み合わせることで、羽毛の発達だけでなく、性別のマーキングや色の変化も鮮明な画像で見ることができます」と加えました。
導入後の効果とお客様の声
Onskie氏は、「過去7年間にわたり巣箱にカメラを設置してきたことで、当社は25羽のアメリカチョウゲンボウの巣立ちを成功させ、保護活動の研究に重要な統計資料を提供できました」、「カメラの設置は非常に簡単で、むしろ最も難しいのは観察に最適な巣箱のサイズを決めることでした。プロの野生動物ビデオグラファーとして、映像、写真、音、すべての品質がこのカメラ価格にしては非常に優れていると言えます。 カメラは、極端な高温下でもしっかり機能します。カメラには何の問題もなく、VIVOTEKはどんな疑問にも非常に快く対応してくれました。VIVOTEKをぜひおすすめします」と述べています。